Category: Windy Nights

第一話:招待

時々雷が閃いている空は、灰色の曇りに覆われており、そのせいで少し寒くなっている。強く吹いている風は一人の若者しかいない公園の数々の木から落ちた金色の枯葉を飛ばし、すごくきれいな景色を作ってくれている。 公園の一番大きな木の下に座っている若者は服の全部が黒。髪の色ですら黒いこの黒ずくめの若者は目の色だけが緑だ。はたはたと翻っている黒いマフラーをつけているこの男は座りながら、雷の閃く空を眺めていた。 「もう秋が終わるところだなぁ。」 こういった彼は数秒後に大声であくびをした。上の枝にとまっていた数羽のカラスがカーカーと飛び出していった。 「お前らも逃げるのか…」 飛んで去っているカラスを見た彼の緑の目には少し悲しみの痕跡がある。カラスたちは百メートル先にある木の枝に泊まった。 ふんぞり返っている若者はため息をついた。 「鳥たちよ、俺もお前らのように自由になれるかなぁ。」 こういってもう一度ため息をついたら、腹の虫が鳴いた。 「はらへったなぁ。何か食べよっか。」 上半身を上げて、そのまま少しどこで何を食べようかと考えた後、立ち上がって着ている黒いコートについた葉を振り払った。立っている彼の姿は結構かっこよかった。耳を隠すくらいの長さの髪は真っ黒で、強く吹いている風のおかげでマフラーと同じようになびきていた。 彼はそのままもう一度空を見た。 「もうそろそろ仕事見つからないとな。仕事探しってこんなに難しいとは思わなかったんだ。」 帰るため振り返ったら、そこでじっとして、彼のほうに見ている男に気が付いた。 男は少し生意気っぽい微笑みが顔に浮かんでいた。若者が彼のほうを見たら、会釈した。 「こんにちは、風早涼太さん。」 若者は止まり、自分の名前を呼んできたこの男を冷静に見た。しかしどう見ても怪しいこの男を見覚えがない。この赤の他人に名前で呼ばれることは気に入らなかったんだ。 「私ですが、どこかで出会ったことがありますか。」 「いいえ、ありません。そして風早さんは我々のことを知らないと思います。」 我々… 涼太は回りを見渡したが、誰もいなかった。手をこーとのポケットに入れて男のほうへ歩いた。止まったら、男との距離は二メートルくらいになっている。…